(写真はある日のミーティングの様子です。みんな何を熱心に読んでいるのでしょうか。忘れてしまいました。)
生活保護の住宅扶助が2015年7月から引き下げられます。区役所のケースワーカーに聞いても具体的な金額はまだ知らされていないようでした。第22回社会保障審議会生活保護基準部会資料を見ていると、京都市は42500円から41000円くらいに引き下げられるのかなあ、と推測しています。
◆2015年1月9日 第22回社会保障審議会生活保護基準部会資料
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/kijun02_1.pdf
ちなみに、車いす利用者などの住宅を探すのが困難な人は特別基準該当という扱いになり、×1.3の55000円くらいで住宅を探すことができていました。民間賃貸でバリアフリー住宅を55000円で探すことがいかに難しいか。というか、ほとんどないんじゃないでしょうか。また保証人問題もあって民間賃貸のハードルは高いです。日本自立生活センターで地域移行された方たちは、仲間が住んでいた公団に引っ越す人たちが多くいました。その公団は家賃55000円ちょうど。「いきいきハウジングリフォーム」などで手すりやスロープをつけて生活します。
ところが、住宅扶助が引き下げられると、今の家賃を住宅扶助では支払うことができません。するとケースワーカーが更新時に引っ越しをすすめるそうです。さすがに、障害者に出て行けとはいわないでしょうか。でも公団が家賃を引き下げるとも思えません。それでは、生活費を切り崩して家賃の差額を捻出することになるのでしょうか。よく大家が家賃引き下げに走るという予測をしている法律家がいますが、甘いと感じます。
今後は、住宅扶助引き下げ反対の運動もしていかないといけないように思います。
ちなみに、生活保護基準部会での議論は、公的住宅保障政策の国際比較などもされており、私たちの運動に形を与えるための助けになりました。「住みたいところに住むための運動」(by 土田)が目指すのは、おそらく「公的な」民間賃貸住宅の改修・借り上げ・家賃補助です。公営住宅の建設(ストック)と低所得者向け家賃補助(フロー)の中間形態です。明治大学理工学部建築学科・園田眞理子さんが基準部会で意見を述べておられます。
この基準部会議事録の分析でいちばん参考にしているのは、貧困ジャーナリズム大賞を受賞した、みわよしこさんです。いつか、みわさんをお招きして、勉強会やシンポジウムをやりたいです。みわよしこさんのWeb記事から住宅扶助にかかわるものを以下、抜き出しました。
◆みわよしこ『生活保護のリアル』
●生活保護の住宅扶助は、本当に高すぎるのか?
ケースワーカー実態調査も示す日本の「住」の貧困
――政策ウォッチ編・第87回
http://diamond.jp/articles/-/62845
●現状でも不足しているのに住宅扶助引き下げ?
入浴に3時間を要する障害者の過酷な「住」
――政策ウォッチ編・第72回
http://diamond.jp/articles/-/57308
●住宅扶助は許されないゼイタクなのか?
“車椅子の歌姫”が強いられるギリギリの「住」
――政策ウォッチ編・第71回
http://diamond.jp/articles/-/56948
●日本の「住」全体まで劣悪化する可能性も!?
生活保護・住宅扶助引き下げの破壊的な波及効果
――政策ウォッチ編・第68回
http://diamond.jp/articles/-/55917
●生活保護当事者の住宅扶助はいくらにすべきか
アメリカに学ぶ「住」の最低基準の定め方
――政策ウォッチ編・第59回
http://diamond.jp/articles/-/51155
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