2015年4月5日日曜日

市営住宅についての聞き取り調査



市営住宅についての聞き取り調査をしました。
主に車いす住宅にある和室の部屋撤去の必要性について調べたいと思っていましたが、それに限らないお話がたくさんうかがえました。

上の写真は京都市市営住宅の車いす住戸にある和室(段差あり)です。




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京都市市営住宅にかんする聞き取り


概要
●主体:日本自立生活センター・住宅部会
●対象:京都市市営住宅の車いす住戸に居住中の方
●方法:対面での聞き取り
●人数:6名(向島2名、東野、烏丸、西京極、唐橋)
●期間:2015年3月5日〜2015年3月19日
●結果:車いす住宅に実際に住んでおられる方が感じている、住宅設備の便利な面と不便な面の両方を聞き取りした。各市営住宅の構造の差もあって、生活要望の内容は、きわめて個別性の高いものと、車いす使用者全般にあてはまるものが混在していた。しかし、不便さを感じる点については概ね一致している。
  顕著だったのは、段差のある和室についての要望である。段差のある和室は、 車いす生活を送っている重度の障害者にとっては、利用しにくい構造であると指摘できる。①入ることができない空間をつくり生活スペースを狭隘にしている。②目の届かない空間になってしまい、物置スペースとしてさえも利用が困難になっている。

以下、各項目にわけて、聞き取りしたニーズを要約する。

和室の段差:車いすで入ることができる生活スペースが狭くなる(烏丸、向島、東野、唐橋)。住めば結果的に使い方を各自つくるが、積極的に使えているとは言いがたい(烏丸、向島、東野、唐橋)。

→ 和室の段差解消により車いすや歩行器で入ることができるスペースが増える。

間取り:和室の位置によって、主要な生活スペースがフラットに広くとれるか否かが決まる。烏丸と唐橋はリビングと和室が隣接しており、フラットな生活スペースが少ない。東野は和室が孤立したかたちになり、リビングとキッチンが隣接しており、フラットな生活スペースが多い(東野)。烏丸はせっかく部屋数があるのにワンルームのような雰囲気になってしまっている(東野)。

 →  生活機能別に部屋を使い分けられる間取りと、メインの生活スペースをフラットに過ごせる間取りの両立。とくに車いすや歩行器で移動できる範囲が増えるようにフラットなスペースを確保。

台所:障害者が家事をしないという前提で台所がつくられている。ウォークインクローゼットや高さの変えられる台所などがあればよい(東野)。

→  障害者が家事をするという前提で台所設備を設計。

玄関:広さは十分で段差もない、入り口にコンセントがあってよい、車いす置き場所がほしい(唐橋)。玄関アプローチが車いすで移動しにくい細く入り組んだ構造になっている(向島)。毎日のことなので車いす置き場所がほしい、コンセントがほしい(東野)。

 →  車いすで入りやすい構造。車いすの置き場と充電用コンセントの確保。 

お風呂:手すりの位置(住宅によって箇所が異なる)、浴槽の形状(掘りごたつ式、通常の浴槽)、浴室床の形態や建材など、個別性が高い(烏丸、向島、東野、唐橋)。

→  個別性が高いけれども、対応できないと高齢者や障害者にとっては、生活の質が著しく悪くなる。個別性の高い浴室へのニーズを充足する方法が必要。

トイレ:トイレの床がコンクリートむき出し(烏丸、東野)、洗面所と脱衣所とトイレが一体化されているのでプライバシーがない(向島)
ベランダ:自分では出入りしにくい(唐橋、向島)

聞き取り全文

▪Aさん 
30代前半、男性、身体障害、独居、車いす常時利用、向島市営住宅、2013年入居

ー市営住宅に入ってよかった?
それはよかった。まだ入って3ヶ月だけど。 
ーいつも車いすで生活しているの?
そのままです。お風呂とトイレと寝るとき以外はずっと車いすの上。
ー部屋のなか移動する?
寝室のベッドの横にほとんどいて、トイレとお風呂以外は移動しない。
ーなんで移動しないの?
テレビが寝室の方にあるから。動くのがめんどくさい。和室が低くなったら移動するかな。いまは二部屋だし、いいかなと感じる。リビングが荷物置きになる。机があったり、冷蔵庫があったり、掃除機とか、前の車いすとか家具を置くと狭くなる。あと寒いから暖かいところにいたい。
ーずっと車いすにのってたらたまにおりたい思わない?
本音はおりたい。乗り降りが手間だから。介助者がひとりでは無理。リフトは体がコンパクトにならないので無理。ずっと座っていたらお尻痛いし、乗り降りできるものならしたい。お尻が痛くなったら介助者に体をあげもらう。
ー部屋はぜんぶつかえるか?
和室がつかえない。
ー高いか低いか。
高い。まあもう荷物置きやし。
ー低かったらつかうか。
今の環境からいくと微妙。
ようするにテレビの高さがちょうどいい。泊まりの介助者の人がそこで寝ている。あと押し入れとか服が置いてあったり。和室の部屋にのぼったことはない。Yさんの部屋に一度泊まったときにのぼったことがある。
ーずっと住むの?
たぶん。変化がなかったら。
ー和室とって低くなったらいいかな思うか?
何とも言えない。テレビの高さが変わらないで、出入りできるようになるならいい。物置としてしかつかえない。
ーお風呂はどう?
浴槽の横に手すりがある。お風呂の手すりが邪魔。二人で移動するのに飛び越えないといけないから。高齢者の人や軽度の人に対応しているのかな。以前住んでいた部屋がお風呂があかんかった。
ー市営住宅で困りことある?
お風呂の手すりをとりたい。現状復帰を考えると難しいのかな。
ー今の住宅でいくつめ?
ひとつめが実家、ふたつめが民間賃貸2DK、みっつめが今の向島の住宅。お風呂とトイレが入れない。足を伸ばして入浴ができない。浴槽が狭い。浴室はお風呂介助者2人と入って、ぎりぎりだった。市営住宅の浴槽は足を伸ばせる、でもスペースはぎりぎり。
ー住宅さがしで大切にしているのは?
前の家でお風呂でたいへんだったので、お風呂。
▪Bさん 
50代、男性、身体障害、独居、車いす常時利用、西京極市営住宅、2004年入居

ー市営住宅に住んで何年?
11年。
ーいいところとか悪いところとか。
お風呂のことでは、湯船の大きさはちょうどいいと僕は感じてる。
ー入浴のときに不便さはありますか。
ある。お湯をためるのが、ボタンでお湯をぬけたらいい。なんでかったいったら、[お風呂の栓の]鎖が入浴時に足にからまるから。足にからまってとれてしまう。いまは僕が入るときには、チェーン[の浴槽との接続部]を外してる。あと[お風呂の]床が普通のタイルだから、タイルじゃないものがいい。僕の場合は浴槽の横で体を横にして洗うから背中が痛い。いまはお風呂マットを入れている。お風呂から出て僕を運ぶときに高い段差がある。あれはきっと普通の車いすに合わせたと思うけど。僕は介助者2人でかかえて移動するので[お風呂の出入り和室の出入りともに段差が]危ない。
ーリフトをつかうかとか考えなかったですか。
前に僕の部屋からお風呂までのリフトを考えたけど、結局、市があかんと言うた。僕が出た時、誰が直すのかと。現状復帰。見積もりまで業者でとったけど、あかんかった。
ーいいところは?
いいといころは、背中を洗うときに横になって手すりをもつのだけど。そなえつけの手すりがちょうどいい高さにある。
ー車いすはずっとのっておられますか?
トイレ大、お風呂、寝るとき、だけ。それ以外はずっとのっている。
ー部屋のなかは車いすで移動しますか?
僕は言葉があまり出ないから電動車いすで行って見ていたほうが早い。料理などの家事は僕が見ながらやるのがいちばん早くなるから。家事を見るので移動する。
ー和室の部屋はどうやってつかっていますか?
寝室としてつかっている。僕が寝るときは、介助者が体をもって自分で車いすから立てるから、そうやって車いすから和室に移動する。あともう一部屋も和室で、介助者が宿泊の時つかっていたり、物置になっていたり。
和室には車いすが入れない。いま段差がなくなったらフローリングにすると思う。以前は座る姿勢になれなかったので和室は使いにくかったが、今は座る姿勢ができるようになったから、あの段差をなくすのはどうかなと思ってる。ただ車いすで入れないとは思っている。
ー家に予備の車いすの置き場ってどうしていますか?
裏のベランダにおいてカバーをかけてる。けど近所の猫の部屋になってる。市営住宅はベランダが広い。
ー他にも困っていることなどありますか?
以前は玄関のドアを自動ドアにしたいと思っていた。
ー住宅で大切にしているものは何ですか?
いまのところは施設を出てはじめて独り暮らしをしたところ。施設にはなかったプライベートを大事にしている。最近そう考えるようになった。



▪Cさん
50代、女性、身体障害、独居、車いす外出時は常時利用、東野市営住宅、1997年入居

ー何年住んでいますか?
18年くらい。
ーいつも車いすで過ごしていますか?
家の中では歩行器をつかっている。私はつかいやすい。いちばん初めは家のなかでは何もつかわないで歩いていた。でも首を悪くしたから、そこでかわった。うち[東野市営住宅]はつかいやすい。
ーどういうところがつかいやすいですか?
和室があるけども、和室はおまけみたいな場所にあるから、[結果的に生活の]メインの場所はぜんぶフラットにしています。唐橋市営住宅では、台所とつながっているところに和室がある。その横が洋室になってて。台所に行き来ができる。寝室も同室のようになっている。洋室の横に和室があって、和室がかくれているみたいな感じ。うちは唐橋の和室部分に洋室があって境目がフラットになっているから、[メインの生活スペースとして]つかえるスペースが広い。烏丸市営住宅は部屋の間仕切りがあるのにワンルーム的な感じがして、狭く感じる。
ー和室の部屋はどうやってつかっていますか?
タンスはおいてるけど、何もつかっていない。お客さんが来たときにつかっているくらい。
ー和室はあってもいいですか?
私はあの和室の部屋扉をとっているから、帰宅時に着替えるときに段差を椅子がわりにしている。和室はあったほうが楽かな。最近膝が痛くて、立ち上がるときとかに、段差のところに座ってる。段差のある和室の方がなぜか暖房のまわりがいい気がする。
ーお風呂は入りやすいか?
私は入りやすい。掘りごたつ式のお風呂が私にとっては入りやすいので。広い。けど寒い。
ー玄関はどうですか。
昔は玄関に電源がないから自分でつけた。できたら今後玄関に電源をつけてほしい。車いすの置き場所を確保してほしい。車いすをベランダにおいてたら猫にオシッコされた。うちはお風呂場の隅っこに物置スペースをつくっていて、そこに収納は入れているけれども。でも毎日のことだから、玄関に電源がほしい。私は自分でつけたけど。
ー他に生活で感じることは?
台所の上の戸棚を上下式のやつになったら便利。鍋を置くところをウォークインにしてほしい。鍋を置く所に届かないから。自分で流し台に立ったり、片付けたりもするから。あの台所は障害者がやるっていうことを考えていない。
今のところの設計は障害者が何もしないという前提での設計と感じる。掃除も洗濯も家事も誰かにやってもらうというような設計に感じる。あと、東野市営住宅はトイレとか床がコンクリートむき出しだから、フロアクッションをしいた
ーいまの家に住むまでは?
はじめに実家住まいから、亀岡のグループホームに引っ越した。ここはトイレ台所お風呂共同だった。つぎにワンルームマンション。ここはキッチン、バス、トイレつき。そしていまのところ。
ー家探しでいちばん大切にしていることは何ですか?
駅から近いところかな。市内への移動を考えたら。それでも私は自然があるところで暮らしたいので、今のところが好き。




▪Dさん
60代、男性、身体障害、独居、車いす外出時は常時利用、唐橋市営住宅、2013年入居

ーいつから住んでいますか?
2年前から。
ーそれまでは?
山形が実家で山形の仕事場の寮や民間の一軒家とかに住んでいた。京都に来てから、亀岡のグループホーム、京都市内の公団、そのあといまのところ。
ーいまの市営住宅について聞かせてください。玄関は?
玄関は段差がなくていいけど。玄関が自動ドアになったらいいなと思うこともある。鍵が自動的に開閉できるような。  
ー車いすの置き場は?
目の届くところに置きたい。車いすの状態を知っておきたい。充電ができているかとか、大事なものとか入っているときに。いまは入って右側の部屋に車いすを3台まとめておいている。
ートイレは?
ちょっと便器が高い。便器は備えつけ。座った時に足が床に届かない。足が届かないとこけそうになる。ウォシュレットを置くと便座が高くなってしまう。手すりも左型の壁についているのがもっと高いといいな。ティッシュのロールホルダーの位置が低い。
ーお風呂は?
だめだ。いきなり大きな段差がある。介助者にかかえられて、自分で置いた踏み台をステップにしてのぼる。いすに座って体を洗う。浴槽が掘りごたつ式。浴槽のふちで一回座って、どぶんと入る。出るときも、介助者が抱えて、浴槽のふちで一回座る姿勢になる。足に負担がかかるし、お尻が痛い。危ないときがよくある。
ー間取りは?
間取りはいいけど、段差がない方がいい。車いすでそのままいける。電動と手動の車いすをつかっていて、電動は外で、手動は家でつかっている。いまは車いすからおりてソファーに座って過ごしたりもするが、もし段差がなければずっと車いすで自分で動いて暮らすようになると思う。
ー和室は?
段差があって、あがるときにのぼれない。いまは踏み台をおいて、のぼりおりしている。使わないでもの置き場にすると、間取りが狭くなるし、ものの置き場に困る。いまは寝室にしていて、大きな介護用ベッドや机やパソコンなど大物の家具をおいている。
ー台所は?
収納があまりないな。
ーベランダは?
広くてよいけど、出入りがちょっと難しいかな。本当は自分でも出入りしたい。








▪Eさん、60代、男性、身体障害、家族同居、車いす常時利用、向島市営住宅、200・年入居

ー困っているところはどこですか?
古い建物のメンテナンスが目立っている。ドアがあかなくなった。建物を建てている人がもういないから、メンテナンスする人も理解しないでやっている。
ー間取りは?
狭い。部屋数は3部屋、台所、風呂場、トイレ。入り口からまっすぐ入ると突き当たりが壁。直角に曲がらないと家に入れない。あまりものが置けない。入り口入ってから間もなくのところにガスの元栓がある。そこにガスストーブをおくと車いすで出入りの妨げになる。ガスの受け口が部屋の奥にあるけど、変なところにあって使い勝手が悪い。そこにストーブをおくと、大きな家具の置き場所が難しくなる。タンスは和室においてあるから、おれは何がどういうふうに入っているか分からない。玄関も殺風景。余裕がない。
ートイレは?
トイレと洗面所が一緒。おれと彼女が生活しているなかでは、同時にでかけるとき、帰ってくるとき、トイレしている横で、歯をみがいていたりする。トイレの便座と洗面台との間に仕切りがない。プライバシーを考えていない。たとえ夫婦でも見せたくない、見られなくないものもある。あと洗面所の手すりはいらないな。
ーお風呂は?
すのこを自分ででおいている。まず脱衣場がない。入り口から出ると、踊り場のようなものがあって、そこで着替えができるが、おれの家は脱衣場という発想がない。おれが入りやすいように浴槽の洗い場と同じ高さのすのこを準備した。丸々裸になっていくか、すのこの上にのってから脱ぐか。ところが、おれの前に彼女がが入っている場合には、すのこはもう濡れている。浴槽はおれにとっては深い。中にお風呂用の補助いすを入れている。
ーひとりで暮らす期間を想定したら?
彼女が病気で入院したときのことを考えると、お風呂のガスを沸かすための給湯装置に手が届かない。ガスの元栓も届かない。洗濯機の置き場所が狭い。二層式しか想定していない。ドラム式をむりやりはめこんで使っていると、車いすでトイレに行こうとすると、トイレの中でUターンできない。
ー和室は?
和室はほとんど物置。一時期布団しいて寝ていたこともある。書類おき、物置、テレビを置く場所になっている。押し入れもある。
ーもし和室の段差を解消できるとしたら?
いまのおれならとりたい。10年前なら、なんとなく安心してごろんとできる場所がほしかったから。自分の体が動きにくくなっていることでごろんとするのも大変。いままではひょいひょいと上がっていたけど、最近はめんどくさい。とくに酸素を抱えてから。。2002年から酸素をかかえてる。重度になったから。
ーどうしてもなおしたいところがあるとしたら?
安全を裏口をスムーズに出られるようにしたい。ベランダをあけて外に出て行くときに段差がある。段差があるのが不思議。ベランダの外から鍵をかけられない。根本的には全部だね。
ーよいところは?
いちばん今まででよくなったのは、駐車場だね。駐車場が目の前にあるから。いままでは他のところにいかないとけなかったから。雨の日は大変だったし。直前に住んでいた府営住宅と比べて、、ほとんど広さが同じだしね。。市営住宅のほうがよいとはほとんど感じないな。あと現状復帰というのが。。箱だけで住んで、好きにしていいといわれるほうが、よっぽどよい。それで出るときに、ぜんぶ壊す。


▪Fさん、50代、男性、身体障害、独居、車いす常時使用、烏丸市営住宅、200・年入居

ーいまいちばん困っていることないか?
真ん中の和室の部屋。段があって、僕が自分でいけない。物置。
ーお風呂
別に問題ないけど。住み始めたときは段差をかえなあかんな。掘りごたつ式の浴槽はあれでいい。
ートイレ
トイレとくに問題ない。トイレの床がコンクリート。カーペットとかやったらあったかくなるかな。
ー間取り
和室がなくなったら間取りをかえる。いまは部屋で動くこともできない。
ーいいところはあるか?
玄関が入りやすい。
ーもし和室がとれるとしたらとりますか?
とる。













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