市営住宅についての聞き取り調査をしました。 主に車いす住宅にある和室の部屋撤去の必要性について調べたいと思っていましたが、それに限らないお話がたくさんうかがえました。 上の写真は京都市市営住宅の車いす住戸にある和室(段差あり)です。 ------------------------------------------ 京都市市営住宅にかんする聞き取り 概要 ●主体:日本自立生活センター・住宅部会 ●対象:京都市市営住宅の車いす住戸に居住中の方 ●方法:対面での聞き取り ●人数:6名(向島2名、東野、烏丸、西京極、唐橋) ●期間:2015年3月5日〜2015年3月19日 ●結果:車いす住宅に実際に住んでおられる方が感じている、住宅設備の便利な面と不便な面の両方を聞き取りした。各市営住宅の構造の差もあって、生活要望の内容は、きわめて個別性の高いものと、車いす使用者全般にあてはまるものが混在していた。しかし、不便さを感じる点については概ね一致している。 顕著だったのは、段差のある和室についての要望である。段差のある和室は、 車いす生活を送っている重度の障害者にとっては、利用しにくい構造であると指摘できる。①入ることができない空間をつくり生活スペースを狭隘にしている。②目の届かない空間になってしまい、物置スペースとしてさえも利用が困難になっている。 以下、各項目にわけて、聞き取りしたニーズを要約する。 和室の段差:車いすで入ることができる生活スペースが狭くなる(烏丸、向島、東野、唐橋)。住めば結果的に使い方を各自つくるが、積極的に使えているとは言いがたい(烏丸、向島、東野、唐橋)。 → 和室の段差解消により車いすや歩行器で入ることができるスペースが増える。 間取り:和室の位置によって、主要な生活スペースがフラットに広くとれるか否かが決まる。烏丸と唐橋はリビングと和室が隣接しており、フラットな生活スペースが少ない。東野は和室が孤立したかたちになり、リビングとキッチンが隣接しており、フラットな生活スペースが多い(東野)。烏丸はせっかく部屋数があるのにワンルームのような雰囲気になってしまっている(東野)。 → 生活機能別に部屋を使い分け...